日本パン工業会
   日本パン工業会新年会
  飯島会長が年頭挨拶で決意
 HACCP制度化への対応に努力
   
   日本パン工業会(会長・飯島延浩山崎製パン社長)は18日、都内のホテルで平成30年新年会を開催した。当日は会員企業をはじめ、製粉メーカー、加工油脂メーカーなど関連業界、農水省などから多数が出席し、今年一年の飛躍を誓い合った。 飯島会長の年頭挨拶は次のとおり。
一、 わが国経済は景気の緩やかな回復が続き、個人消費も一部で持ち直しの動きも見られるが、パンの市場は消費者の節約志向や低価格志向が根強く、加えて人手不足を背景とした人件費や物流コストの上昇など、収益が圧迫される厳しい経営環境となっている。こうした中、製パン業界では引き続き、品質を重視したお客様に喜ばれる製品開発に取り組み、新たな需要を創造すべく取り組みを重ねているところだ。2018年が製パン業界、関連業界にとって新しい前進の年となるよう、1層の努力をしていきたいと考えている。
一、 昨年を振り返ると、食品業界の大きな課題であった加工食品の原料原産地表示義務化の問題については、製パン業界挙げて取り組んできた。9月に食品表示基準が改正され、小麦粉等の中間加工原料原材料については、国内製造等の製造地表示を基本とすることとなった。また、経過措置もその期間が4年半と設定されたところだ。一昨年来、パン工業会は全パン連さんや日本パン技術研究所と協力し、パンの主原料である小麦粉の原料原産地表示の実行の可能性について、科学的根拠に立った検討を行い、小麦粉の原料原産地表示はできない旨を各方 に訴えてきた。今 の基準改正では事業者が責任を持って表示できる制度となったので誤りのないように対応していきたい。また、消費税を巡る問題では、消費増税と軽減税率の導入が平成31年10月まで延期となった。これに伴い、消費税転嫁カルテル、表示カルテルも平成33年3月まで有効となった。製パン業界では、日本パン公正取引協議会においてカルテルを結成以来、消費税の転嫁に関してとくに問題なく対応できているが、引き続き本カルテルの有効期間を活用し、製パン業界のあるべき姿の実現に向け、努力していきたい。
一、 最近の大きな議題としては、厚労省が進めているHACCPの制度化への対応が挙げられる。HACCPの制度化は、全ての食品事業者を対象としており、各業界団体にはそれぞれの食品の特性や業態を踏まえた手引書の作成が求められている。パンについては、オーブンで焼成されるため、基本的に細菌面の心配はないので、製パン業界では一般衛生管理を基本とし、必要に応じて重点管理点を設けて管理する基準Bによる対応を図ることが適当であると考えている。現在、全パン連さん、パン技術研究所とともに、基準Bに基づく手引書の作成に取り組んでいるところだ。厚労省とも相談しながら、リテールベーカリーを含めた全ての製パン事業者が実行可能な手引書の完成を目指しているところだ。また、私ども製パン業界では、お弁当やサンドイッチ、洋生菓子や和生菓子など細菌 でとくに注意が必要で、消費期限の短い製品群がある。厚労省では、これらの製品群ではそれぞれの業界がHACCP制度化への基準を定め、対応することとなっているが、昨年末、新年と厚労省の担当者を会い、それらの業界の方々はパン業界がパン技術研究所と一体となって取り組んでいる基準Bによる対応の内容が出来上がるのを待っている、参考にしようということであった。そういう意味では、なかなか適切なものを作るのは簡単ではないと思う次第だ。パン類に関しては基準Bの対応で問題ないが、お弁当やサンドイッチ、洋生菓子や和生菓子については、さらに詳細な基準作りが必要である。製パン業界においては、パン技術研究所と共同し、独自のHACCP制度化への基準作りに取り組んでいきたいと考えている。
一、 また、全パン連さんにとって大きな課題である学級パンの問題については、パン工業会としてもパン食の普及という業界全体の視点から取り組んでいく必要があると考えている。改めて言うまでもないが、いまやパンは国民の主食として日本の食文化にしっかりと定着しており、最近の家計調査では、パン類の購入金額が米を追い越すまでになっている。一方で、年齢 の消費動向では若年層におけるパン離れを示すデータも見られる。その背景には学級パンの減少がその一因にあるのではないかと思われる。日本の食文化として定着したパン食を学校給食にきちんと 置付けていかなければならないと考えている。全パン連さんでは、学校給食において減少しているパン食を週二回に増やすことを目標に、さまざまな取り組みを始めているが、とくに現在進めている国産小麦を活用した学級パンの提供は、地産地消の推進や食料自給率向上といった側 からも大変、説得力のある取り組みである。一昨年に設定された第三次食育推進基本計画では、学校給食に関する国の施策として、児童・生徒が多様な食に触れる機会を配慮することや地場産物、国産素材を活用することが明記されている。こうした国の施策に合致する学級パンの意義をしっかり訴えていくことが重要と思われる。
一、 このほかにも環境問題や容器リサイクル制度への対応など、取り組むべき課題があるが、本年も製パン業界を取り巻く課題に一つ一つ丁寧に対応し、製パン業界のあるべき姿を追求すべく、鋭意努力をしていく所存である。
 


  日本フードサービス協会(JF)