日本ひまし工業会
   相場高騰と円安で厳しい状況
  新春懇談会で辻会長が挨拶
 国内需要堅調、安定供給に努力
   
 
記者会見を行う辻定昭会長
 日本ひまし工業会(三重県四日市市・辻定昭会長)は2日、名古屋市・中村区名駅の「舞鶴館」で、平成30年新春懇談会を開催した。
 当日は、理事会終了後、同室において記者会見を行ない、辻定昭会長(伊藤製油代表取締役社長)、今川和明監事(豊国製油取締役会長)河合春彦監事(日華油脂代表取締役社長)と会長会社から田中豊氏(伊藤製油営業部長)が出席し、昨年からのヒマシ油需給及び相場動向などについて報告を行った
 会見では、辻会長が「いざなぎ景気を超え、景気回復は昨年12月で61カ月ということになった。一番良くなったのは有効求人倍率ではないかと思っており、61カ月前の0・83%が1・56%になった。また、名目の雇用者報酬が252兆円から276兆円になっている。さらに、訪日外国人が871万人から2869万人と3倍ほど増加している。日本にとって非常にありがたいことだと思っている。一方で、実質的な平均の成長率は、いざなぎ景気時は10%を超えるような勢いがあったことに比べると、見劣りすることも確かだ。ただ、本年度に入ってからは、化学工業の大手メーカーなどを見ると、中国の原料不足もあって国内回帰というか、本格的に景気が上がってきたのかという気もする」と経済情勢について言及。
 その上で、辻会長は「しかしながら植物油業界、そして、我々ヒマシ油業界においては、なかなか厳しい状況が続いている。とくに、ヒマシ油関連は2016年の暦年でのロッテルダム価格の平均と比べ、17年の平均価格は400ドル上昇している。為替も平均をとると3円30銭ほど円安となっており、輸入に頼らざるを得ない我々にとっては非常に厳しい環境となっている。ロッテルダム価格と為替をかけあわせると、ヒマシ油のキロ当たり単価は約50円値上がりしている。現状、ロッテ相場はやや弱含んではいるが、お客様との交渉において、この一年で50円の値上げが ったかと言えば、厳しい状況にあるというのが現実である」と、厳しい内外環境に置かれたヒマシ油業界のこの一年を振り返った。
 一方で、辻会長は「ヒマシ油、ヒマシ油誘導体の量入量が増加しているのを見ても明らかな り、国内においてヒマシ油の需要は着実に増えている。これから東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、リニア新幹線など、建築・土木用が増えてくるものと予想される。ヒマシ油はいろいろな用途に使われており、この辺りでも需要が拡大する要素はある。ひまし工業会としても、ますます発展していければ良いのではないかと思っている」と今後のさらなる需要拡大に期待を込めた。
 引き続き、田中氏がヒマシ油の世界需給と相場動向、日本における輸入動向について説明。オイルワールドによると、17/18年の世界ヒマシ種子生産量 は133万トンの予想。前年の126万トンからは増加するものの、過去の実績と比べると低水準であることは否めない。さらに、世界のヒマシ油需給では、17/18年の期末在庫量が前年の13万トンから8万トンに減少するとの見方。これが現実となれば、今年の後半にかけて需給が大きくひっ迫する懸念が生じる。現状、ロッテルダム相場はやや弱含んでいるが、決して予断を許さない需給環境にあることは確かだ
 こうした需給見通しにあることについて、辻会長は「ここまで在庫が減少するのかどうかは不透明だが、従来と比べ低水準であることは確かだ。ひまし工業会はお客様への安定供給確保が第一の目的でもある。工業会として安定供給に努力していく」と強調した。
 懇親会では、今川和明監事が「ヒマシ油の輸入は堅調に伸びており、ここへきて1万7000トン台を維持している。ヒマシ硬化油、セバシン酸を含めると、相当な伸びを示している。景気の状況と価格が比較的安定していること、そして我々メーカーが安定供給してきたことが得意先に評価されているものと考えている。一方で、今後、南海トラフ地震の発生も予期される中、安定供給に向けた努力、業界として協力関係を構築するなど、お客様に喜んでもらえる業界作りを行っていきたい」と乾杯の挨拶を行った。
 


 米国牛脂相場