家庭用市場
    10〜12月の重量前年並みで底堅い
   ゴマ油、コメ油引き続き好調
 オリーブ、価格改定影響に
   
   今期10〜12月の家庭用食用油市場は、重量、金額とも前年同期並みで、上期から続く底堅いトレンドは変わっていない。産地の減産による相場急騰で店頭価格が上昇するオリーブオイルは前年を割り込んだものの、ゴマ油、コメ油が好調に推移。メディア露出のあったアマニ油、えごま油も再び伸長に転じている。一方で、大幅な採算悪化を受け、昨年10月から実施している価格改定は、バルク、斗缶と比べ遅れ気味だったが、納入価格は着実に上昇した模様。年末商戦で流通側もボリュームを追う10〜12月という時期に値上げが浸透したのは、極めて珍しいケースで、製油各社の危機感の強さがあらわれたものと受け止められている。
 大手製油メーカーによると、第34半期10〜12月の市場動向は、食用油トータルで重量ベースが前年同期並み、金額ベースは前年同期比101%となった。カテゴリー別では、キャノーラ油が重量98%、金額97%と4〜9月からやや数字を落とし、レギュラーサラダ油も重量、金額とも95%と引き続き前年割れ。
 オリーブオイルは重量が92%、金額が97%。エキストラバージン(EV)は重量93%、金額97%、ピュアは重量が同87%、金額同94%。16年産のイタリア大幅減産の影響を受けて、スペインも含めて現地相場が高騰。大手社の二値上げが着実に実勢化し、10〜12月に本格的に店頭価格が引き上がったことに加え、3割超えのシェアがある輸入物の価格も上昇したことが上期の重量99%から、減少幅が拡大する要因となった。ただ、イタリアの生産が回復したことで現地相場は昨年秋以降、軟化傾向にあり、価格の高騰は今後、徐々に落ち着いていく見通し。日清オイリオグループ、Jーオイルミルズの大手2社とも、引き続きオリーブオイルの拡販に注力しており、いわゆる「かける」生食需要はまだまだ伸びる可能性が高い。マーケットの落ち込みは1時的なものとみられる。
 ゴマ油は重量同111%、金額同106%と、上期に引き続き好調な動きを堅持。一昨年来、原料相場が落ち着いていることに加え、ゴマ油においても生食需要の拡大が顕著。テーブルにおいて『ちょいがけしましょう』という提案を各社が行ってきたことが実を結んでいる。また、ゴマ独特の香り、味が改めて評価されており、ネットでは「無限メニュー」といった、ごま油を使った簡単メニューが人気を呼ぶなど、家庭に常備される食用油としての位置付けを確固たるものとしている。このほか、かどや製油が純正ごま油発売50周年で積極的な販促を展開していることも押し上げ要因。
 このほか、コメ油の成長も著しい。上期の重量123%、金額122%に続き、10〜12月も重量120%、金額119%と好調。15年後半から健康機能を訴求したメディアでの露出が増えたことが売上増のきっかけとなったことは事実だが、健康効果以外のこめ油の特長、その独特の美味しさであったり、使いやすさ、手頃な価格、手頃な容量が消費者に評価されたというのも間違いない。一度使ってみた客がリピートしていることが、市場拡大につながったものと見られる。
 えごま油、アマニ油も、10〜12月はメディア露出があり、売上げは急回復。アマニ油が重量178%、金額142%と急伸したほか、えごま油も重量、金額とも108%と伸長した。
 昨年10月から進めている価格改定については、小売側の競争激化で店頭価格への反映は難しいものの、納入価格の引き上げは「目標の値上げ幅には届いていない」(製油筋)ものの、着実に実勢化している。製油側の強い危機感が、年末商戦の真っただ中での極めて異例な値上げにつながったものとみられる。
 


 製油各社