日本植物油協会
   今村会長「使命感もち責任果たす」
  業界紙誌との懇親会で挨拶
 価値、コストに見合う適正価格を
     
   日本植物油協会(東京都中央区・今村隆郎会長)は2日、東京・港区高輪の「響 品川店」で、業界紙誌記者との懇親会を開催した。当日は今村隆郎会長(日清オイリオグループ会長)、齋藤昭専務理事のほか、会長会社である日清オイリオグループから代表取締役社長の久野貴久氏、取締役常務執行役員の尾上秀俊氏、常務執行役員の岡雅彦氏らが出席した。
冒頭に挨拶を行った今村会長は「今日、羽生さんの国民栄誉賞が決まったが、スピードスケート・パシュートあるいはカーリング女子の活躍に日本人らしさがよく出ていて良かったなと思っている。日本のチームワークの良さであり、海外の真似ができないところで勝ったというのは非常に印象深い。この6月にはサッカーW杯があり、その後は東京オリンピックに向けてムードが切り替わってくるのではないかと思う。スポーツの祭典は景気にもプラスに働くと考える」と、日本人の活躍で盛り上がった平昌オリンピックについて触れた。
 今村会長は引き続き、昨今の経済状況について「景気については2月に株価が乱高下したが、世界も日本も経済のファンダメンタルズは悪くなく、今年もIMFは成長率を3・9%と言っており、日本の景気も10〜12月が年率換算で0・5%と84半期連続プラスとなっており、失業率や有効求人倍率といった経済指標もプラスの要因に出ている。ただ、実質賃金が上がっておらず、消費が活性化していないのは事実だ」との見解を示した。
 さらに、「我々、製油産業も原料が上がっている中、なかなか価格が浸透しない。昨年は価格改定を発表して値上げに取り組んできたわけだが、4〜12月の決算を見ると、一部の企業を除いて総じて厳しい結果となっている。価格の改定は非常に厳しかったものと受け止めている」と、製油業界の直近の情勢について振り返った上で、「4月以降も物流費や資材などコストアップ要因があり、この3月末まで残りわずかではあるが、4月以降にどうプラスのバトンを渡すのかということもあり、改めて気を引き締めて取り組んでいかなければならない」と強調した。
 今村会長はまた、「日本の食品産業は生産性が低いと言われている。サービス産業もそうだが、その要因の大きな一つが厳しい市場競争の中、なかなか価格が上がらないということが、食品産業の生産性の低さに表れているのではないか。従って、価値とコストに見合う適正な価格が食品産業を健全に成長させ、発展させていく一つの前提条件であると思っている。いかに、きちんと適正なものにしていくかが課題であろうと思う。製油産業も同様であり、コストに見合った価格を得意先に理解していただく努力をしていかなければならない。同時に付加価値商品の開発やその販売の比率を上げていくなど、ある種の付加価値生産性を高める、あるいはコストダウン、コスト構造の見直し、また、AIやロボットといった先端の技術を入れながら、なおかつ働き方改革を考えながら、一人当たりの労働生産性を上げていくことが必要ではないか。製油産業も相対的に生産性を上げていく方向に注力していくことが必要である。製油産業は非常に裾野が広い産業である。家庭用だけでなく、業務用、加工用に安定的に油を供給している。安定供給の責任を負っている。我々製油産業が安定的に収益をあげられる構造を持つことが、川下の食品産業の発展にもつながっていくものと考える。そういった使命感を持って、責任を たしていきたいと思っている」と強調した。
 最後に今村会長は「遺伝子組み換え表示問題やパーム油の持続可能な調達問題など難題を抱えるが、協会としては、きちんと立場を主張し、できるだけ良い方向にいくように努力していく。きちんと主張すれば、ご理解いただけるものと考えている。油の健康性については、少しずつ追い風が吹いている。製油業界はその追い風をとらえ、スキーのジャンプの場合、追い風は失速するが、我々は追い風をとらえ、しっかりとジャンプしたい」と述べ、挨拶を締めくくった。
 和やかな懇談の後は、久野社長の油締めで散会した。
 



 イタリアのオリーブオイル生産量