原 料 綿 実
   ブラジル産は前年比1割増に
  米国も増産で相場やや弱い
 ハリケーンで産地限定底値予想
     
   国内綿実油メーカーの主力原料となっているブラジルの綿実生産量は、前年から一割ほどの増加が見込まれている。増産見通しを受けて相場もやや軟化、オファー価格は旧穀の最終局 と比べ10ドルほど値下がりしている。
 一方、米国産綿実も新穀が前年比二割を超える増産となったことから上値は重い展開。ただ、ハリケーンの影響によるジョージア州の品質悪化で産地が限定されているため、現状がほぼ底値との見方も出ている。メーカー側では「収穫時期の降雨で、地域によって酸価が高いものもある。十分に注意をしながら搾油していく」と強調している。
 17/18年の世界の綿実生産量は、米農務省によると、主要国は軒並み前年を上回り、世界全体で前年比14%増の見通し。中国は1,000万トン超えと月を追うごとに生産 が上方修正されており、このため、同国の豪州産綿実の輸入 減少が豪州綿実相場の下落につながっているものとみられている。南米では大豆やトウモロコシなど他の作物からの転作が進み、作付面積はブラジル、アルゼンチンとも増加予想。生産量はブラジルが上方修正される一方、アルゼンチンは乾燥天候で下方修正の傾向にある。 国内搾油メーカーの主要原料輸入先であるブラジルに関しては、CONAB(ブラジル国家食糧供給公社)によると、作付面積は前年比12%増、生産量は255万トンで同11%増の見通し。価格については、同国はこの時期、大豆収穫の最盛期を迎えることから、大半の農家が大豆保管用のスペースを確保するために綿実の売却を終えており、46月積みのオファーは出てこない状況。17/18年クロップのオファーはまだ本格化していないが、増産見通しを受けてやや軟化気味。79月積みはC&F300ドルと旧穀の最終相場と比べ10ドルほど値下がりしている。ただ、「増産に伴う一層の安値に期待するも、内陸・海上運賃の上昇もあって、C&F価格の大きな下げは期待できない。また、現状、ブラジルレアルは1米ドル=3・1〜3・3で安定推移しているが、同国の政治経済情勢は安定しているとは言えず、何らかの要因で高値あるいは安値のどちらかに大きく振れれば、米ドル建ての綿実相場も大きく振れるため、今後も注視が必要である」(搾油メーカー筋)としている。 油分が17〜18%と良好なブラジル産に加え、搾油メーカーは安定供給を図るために年明け以降は米国産綿実を手当て。米国産についても増産を背景に国内、輸出価格とも上値は重い。米国綿実(サウスイースト地区)搾油グレードの価格は4〜6月積み、79月積みともC&F290ドルで推移している。ただ、搾油向け輸出グレードに関すると、昨年秋に2度襲ったハリケーンによる影響でジョージア州の品質が悪く、産地がノースカロライナ州やバージニア州に限定されてしまうことから、現状がほぼ底値と見る向きが多い。搾油メーカー筋では「収穫期における降雨で、地域によっては酸価が高いものも見られる。従って、十分に注意しながら搾油をしていく必要がある」と強調している。 数年前まで搾油の主要供給先であった豪州産の綿実は、リントの生産増を図るための品種改良によって綿実の小粒化が進み、油分も一時の17〜18%から14〜15%に低下したことから、搾油原料としての存在感を失っている。17/18年の生産 は前年比9%増の100万トン超えの見通し。中国の増産の影響もあって、16/17年クロップの同国向け輸出が当初予想の48万トンから半分程度にとどまったことから相場は急落している。17/18年も同国向け輸出は20万トン程度と予想されている。 豪州産綿実は数年ぶりの安値圏にあるが、油分低下に伴うコストアップで、日本において搾油原料として輸入されることはない。一方で、飼料向け輸出で米国産やブラジル産に対する競争力がついたことによって、これらの国の綿実相場上昇の抑制要因とはなりそうだ。
 



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