国産原料油脂
   4月米油バルク商談キロ5円値上
  抽出コスト上昇長契も決着
 主要メーカー減産で需給が逼迫
   
   米油メーカー筋は4月4日、加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの2018年4月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、抽出、精製コストの上昇で、予定 り前回3月渡しの平均決着価格からキロ当り5円(2・1%)値上げで決着した事を明らかにした。ポテトチップス等の大手製菓メーカー向け4〜6月渡し長契商談についても同5円の値上げを実勢化したとしている。
 今回の値上げ決着で国内の本年4月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり245〜246円で流通する事になる。
 値上げ要因については「米価上昇による消費低迷で米糠集荷価格が上昇。輸入原油も高値で、抽出、精製コストが上昇した。また、関東地区の主要メーカーが生産を減少しており、米油需給が一段とタイトになり、需要家に値上げが認識された」(米油メーカーバルク販売責任者)としている。
 実際に原料生糠の需給逼迫から国内の米油メーカーは、集荷価格をトン当り2000円(キロ2円)値上げしている。また、国産の供給不足分を補う輸入米油についても2月分の輸入 関実績で輸入単価がトン当り10万円を突破し、前年同月に比べ、トン当り6456円(6・8%)上昇している。
 関東の主要メーカーの生産減少については、ボーソー油脂が、3月27日の同社のホームページで「船橋工場において、本年3月18日に発生した製造工程で使用される冷凍機の故障によって、食用油の減産状態が続いている。これに伴いお客様への納品が遅延し、一部、発注を見送らせていただくなど、大変ご迷惑をお掛けしております」とのコメントを出している。
 同社の米油生産については3月26日の週から徐々に生産量は回復傾向にあるとしている。
 2017年からの米油バルク商談の経緯は、昨年4月渡しで円安による輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで決着して以来、2017年5月以降は、本年3月まで11カ月連続で据置き決着していたが、今回は一年振りの値上げ決着となった。
 米油需給は、健康面や機能面での人気が継続しており、依然として家庭用がリードする展開で、業務用斗缶も外食向けで機能 の有利性から前年増で推移している。
 バルク用については、2015年の米油人気による家庭用優先から、加工食品向けにノンデリが発生し、需要家サイドがパーム油等に切り替えた経緯があるが、最近は米油の品面 での優位性から徐々に需要が回復して来ている。
 昨年の台風被害によるジャガイモ生産の減少から、今年は一転して豊作になっていることで、カルビーは「ポテトチップスの25%増 キャンペーン」等を行っており、米油のバルク需要にとっては追い風となっている。
 国産米油の需給環境は本年2月分の油糧生産実績による米糠の原料処理 は2万5,181トン(対前年比97・2%)に減少、2月の米原油生産も4,965トン(同98・2%)に減少している。
 国産米油の供給不足をカバーする輸入原油の状況は、本年2月の米油輸入が1,819トン(同90・7%)に減少しているが、1月の輸入 が2,970トン(147・5%)に急増した事から、1〜2月累計の輸入 は各国合計で4,790トンと、前年同期を1,584トン(49・4%)上回って推移している。



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