家庭用市場
   ゴマ油好調重量 ベース2万伸長
  前期金額300億円に迫る勢い かける、
 和えるなど生食需要定着で
   
   家庭用ゴマ油市場がさらに拡大している。前期(17年4月〜18年3月)の市場規模は重 ベースで2ケタの伸長。金額市場規模も300億円に迫る勢いを見せ、過去最高を記録した。ここ数年、ゴマ原料相場が落ち着いており、店頭価格が安定して推移していることに加え、需要自体も「ゴマ独特の香り、味が改めて評価され、和えたり、かけたりする調理が定着した」(製油筋)ことが好調の要因とみられる。これは、ネットを中心に「無限メニュー」といった、ゴマ油を使った簡単メニューが人気を呼んでいることでも明らか。オリーブオイル同様、調味料的な使い方が日常化し、家庭に常備される食用油としての地位を確固たるものとしている。
 大手製油メーカーによると、前期の家庭用ゴマ油市場は、重量が2万4,000トン弱で前年比113%、金額は287億円で同109%となった。いずれも過去最高を更新。家庭用における金額市場規模はキャノーラ油の410億円、オリーブオイルの355億円に次ぐもの。キャノーラ、オリーブが前年割れとなっているだけに、その伸び率は際立っている。
 ゴマ油の購入経験率(一年間に一本以上購入)は16年、17年と70%前後に達しており、14年の63%から上昇。従来の炒め用途に加え、ここ数年は「生食用途が増えている」(製油筋)ことがその背景にある。野菜サラダやナムル、また、一昨年から「無限メニュー」といった、ゴマ油を使った簡単メニュー、例えば「無限ピーマン」や「無限もやし」などがネットを じて反響を呼び、「ゴマ油の独特の味、風味が再評価されている。生食で新たな需要が喚起され、かけたり、和えたりが定着した」(同)ことが市場の拡大につながった。
 また、オリーブオイルも同様だが、生食需要に関しては調味料的な使い方も定番化してきている。「ドレッシングなど、新たにもう一本を増やしても使い切れないケースが多い。こうした時、ゴマ油やオリーブオイルに麺つゆ、ポン酢などを合わせると、風味付けや味を変えたりでき、新たな調味料として活用できる。家庭内にある既存の調味料との組み合わせで、バリエーションを増やせる」(同)ことなどが日常化してきていることも、ゴマ油の売上げアップを後押ししている。
 市場の拡大を牽引しているのは、ゴマ油トップのかどや製油。黄色のラベルは消費者の間に完全に浸透しており、家庭用においては、他社の追随を許さない強力なブランド力を持つ。同社は昨年来、積極的な広告宣伝活動を展開。交 広告やプレゼントキャンペーンを実施し、需要喚起を促している。昨年は、「純正ごま油」発売50周年を記念し、同じく誕生50年のリカちゃんとのコラボキャンペーンを実施したことも売上げアップに貢献。また、他社に先駆け、PET容器の品揃えに踏み切ったことも押し上げ要因となっているようだ。
 同社はさらに、当初は業務用として市場に投入した600gが好評。大容 サイズがゴマ油のヘビーユーザー層に浸透、小売側にとっても価格が高くても売れるアイテムとなっていることから、積極的に品揃えする店舗も増えてきているという。
 ゴマ原料相場については14年、中国の輸入増加やアフリカ産地などの減産を背景に、トン当たり2,000ドル超えと過去最高値まで暴騰。この時、各社値上げを行ったことからマーケットが冷え込み、需要を大きく落としたという経緯があった。国際相場はここ2年、1,000〜1,350ドルと安定しており、14年当時と比べ店頭小売価格も値下がりし、お手頃価格となっている。相場の落ち着き、小売価格の安定も市場拡大につながっていることは確かだ。このまま安定が続けば、ここ数年の需要トレンドを見る限り、家庭用ゴマ油の金額市場規模は今期、過去最高をさらに更新し、300億円を突破することは確実視されている。
 



 カナダ統計局