不二製油グループ本社㈱
   3月期増収増益で過去最高更新
  清水社長が今後の方針説明 
「PBFS」で社会の課題解決を
   
   不二製油グループ本社㈱(大坂市北区・清水洋史社長)は10日、都内で「2017年度決算説明会」を開催した。当日は清水洋史社長が今後の経営方針など、松本智樹取締役CFOが17年度実績と18年度業績予想について説明した。このほか、酒井幹夫取締役CSO、不二製油の大森達司社長が出席した。
 17年度業績は売上高3,076億円で前期比5・2%増、営業利益205億円で同4・0%増、当期純利益137億円で同13・5%増と増収増益となった。松本CFOは「創業以来、67年目にして初めて売上高で3,000億円を超え、営業利益は200億円を超えることができた。売上高、利益は過去最高。09年に営業利益180億円となったが、それから最高益の更新には16年度まで7年間かかった。17年度は伸び率こそ低いが、二期連続で最高益を更新できたことは非常に意味のあることだ」と総括した。
 18年度の業績予想は、売上高3,220億円で前期比4・7%増、営業利益213億円で同4・0%増、当期純利益140億円で同1・9%増。「売上高、利益とも4%台の成長、最終利益は17年度に米国の税率が変わった等の税効果のプラスが減少することもあって2%程度の成長を見込んでいる」(松本常務)。
 17年度の営業利益の増減要因は、北米油脂や中国フィリング増等の拡販要因(数 要因)で4億円、ブラジル、北米での採算改善、大豆の高付加価値製品増等の単価要因で18億円、為替要因で3億円がいずれも増益要因。施策経費、人件費、減価償却等の固定費で17億円が減益要因で差し引き8億円の増益。「原材料の相場環境はパーム核油、乳製品で大幅な上昇や下落などの変動があったが、パーム油、カカオ、大豆ミールについては比較的安定推移。国内外で生産キャパを踏まえ、収益性重視の市場選定や価格政策を実施したことによって、本社経費、減価償却の増加を吸収し、増益となった」(同)。とくに米州で営業利益が37億円と前期から62%増となっているが、これは米国における低トランス酸パーム油の伸長による収益性向上とブラジルの採算改善に加え、CBEパーツの特需があったため。
 18年度の営業利益は8億円の増益を見込む。増減要因は、主に製菓製パン素材の販売増による拡販要因(数 要因)で18億円、原料コスト増も価格政策、生産効率のアップでカバーする単価要因で9億円、為替要因で1億円がいずれも増益要因。固定費が20億円の減益要因も、差し引き8億円の増益。「国内外で主に製菓製パン素材の拡販施策の実施と継続した付加価値化とコストダウンの取り組みで固定費増をカバーし、増益を たす計画」(同)。
 欧州が大幅増益となる見通しだが、「17年度は油脂の相場変動の影響を大きく受けており、手持ちの原料在庫の評価損が改善されるため。増益というよりも、従前の収益に戻ると言ったほうが正しい。日本、アジアは付加価値化、製菓製パン素材の拡販等で増益を見込む。米州の利益は横ばいを予想。17年度は米国のCBEパーツ関係で特需があったことから数字的に良く出過ぎていた」(同)。
 設備投資については、2014年から減価償却費を上回る積極的な投資を継続。17年度の147億円から18年度は200億円を計画。主な投資は、中国におけるフィリング・マーガリンの新拠点設立で37億円、7月に稼働予定。北米の油脂新拠点設立で32億円、19年度の稼働を見込む。中国の水溶性大豆多糖類ライン新設で9億円。
 引き続き、清水社長が今後の経営方針を説明した中で、ESG経営について「サスティナビリティが極めて重要であると考えており、ESG経営を具体的に表現すると『PBFS(Plant-Based Food Solutions)』。植物性の食品がいかに世の中のためになるかということを、これまでもやってきたし、これからもやっていく。われわれの主要な原料はパーム油、カカオ、大豆。サステナブル調達の でも問題になるものが多く、ここで不2製油が先陣を切って模範にならなければならないと考えている。昨年の11月に、UNITED PLANTATIONS(UP)と合弁で『UNIFUJI』を設立した。調達から生産までのプロセスで徹底的に地球環境と労働者に配慮し、パーム油の分 事業を実施する。建屋はほぼ完成しており、下期から稼働予定。パーム油のサプライチェーンの改善活動を行っていく」と強調した。
 清水社長はまた、今後の方針について「今期は17/20年の中期経営計画の2年目。21年以降の飛躍のため、どれだけの準備ができるかというのが勝負どころ。17年、18年は中身を充実させる時期で19年、20年に弾みをつけ、21年以降にもっていこうという動き。海外においては数量の拡大を目指し、新規事業を確実に立ち上げることが重要と考えている」と述べ、次のとおり各部門における戦略について説明した。
日本事業
PBFSで社会の課題を解決し、収益力を維持向上させる。油脂は収益性重視販売を継続し、サスティナビリティに対応。チョコレートは好調で今後も拡販する。クリームは植物性素材によって差 化した新製品を投入。大豆たん白素材は構造改革が一巡し、健康・栄養市場を拡大させる。また、人手不足に対して技術で手助けしていく。
チョコレート・チョコレート用油脂
サステナブルな主原料をベースに事業を推進。サステナブルな原料を使い、アジアにおいては顧客の省力化を たす高付加価値チョコレートをマレーシア拠点からアジア広域に拡販。ブラジルにおいても顧客が使いやすく機能的な新製品上市で数 回復を図る。
クリーム・マーガリン・フィリング
中国では予想以上にマーガリン、フィリングが伸びている。中国においてパン食が進んでいる。マーガリン、フィリングについては二拠点として「不二製油(肇慶)有限公司」を設立し、今年7月に生産を開始予定。華南地域の拡販を進める。下期から実績に乗ってくる。
大豆事業
  PBFSの中核となるのが大豆事業。現在とくに好調なのが多糖類で利益の柱になってきている。一方、新技術として開発したUSSはなかなか数字になってきていないが、ようやく十何億というレベルとなり、黒字化を目指している。これは、あまり小さいところで完成しようとは思っていない。将来的にこの動きが大きくなっていくだろうと予想し、ここが踏ん張りどころで、どんどん新商品を開発していきたい。とくに米国のピザフードショーで好評だったので、日本だけでなく北米で大豆を使ったUSSのチーズを展開していく。
新規事業実現への道筋
  安定化EPA・DHA事業は少し遅れているが、大手メーカーと進めている。DHAはまったく新しい素材というわけではないが、大きな市場になっていないので、これから大きな市場を作っていく必要がある。高齢化時代の中でDHAが持っている意味は非常に大きい。脳の機能だけでなく、中性脂肪に対する機能も高いので、この機能性油脂はPBFSの一環としてやっていく。
 



 ボーソー油脂㈱