ボーソー油脂㈱
   齋藤社長が3月期決算を総括
   構造改革実施も収益厳しい
 コメ油基軸に副産物にも注力を
   
   ボーソー油脂㈱(東京都中央区・齋藤典幸社長)は14日、東京・大手町のKKRホテル東京で「第90期平成30年3月期決算説明会」を開催した。当日は、齋藤典幸社長、後藤正純専務、川崎薫取締役管理本部長が出席し、決算概要と今後の見 しなどについて説明した。
 当期の連結業績は、売上高132億6,400万円で前期比21・8%減、営業損失5億1,900万円(前期営業利益1億2,600万円)、経常損失5億8,800万円(同経常利益9,900万円)、当期純損失9億8,100万円(同当期純利益18億6,100万円)となった。齋藤社長は「昨年度、本格的に業務改革、構造改革に取り組み始めたところだ。大きな改革の第1点目は、東京油脂工業の米糠の抽出事業を取り止め、千葉工場での抽出に移したこと。これに伴って千葉工場で行っていた菜種の搾油を取り止め、現在、菜種に関しては内外からの原油の調達に切り替え、菜種油の販売を継続している。もう1点は、粉石鹸の製造を行っていた関連会社のクミアイ油脂で、脂肪酸事業への取り組みということで、粉石鹸の製造を取り止めている。こうしたことから、厳しい業績となっている」と前期決算について総括した。
 齋藤社長はその上で「昨年のこの場で30年3月期、翌年もかなり厳しい状況が見込まれるという話しをしたが、どこかのタイミングで(構造改革に)取り組まないと、手遅れになってしまう。そうしたことは、どうしても避けたかったので、このタイミングとなった。我々とすれば、必要な構造改革である」と強調した。
 引き続き、後藤専務が「当社はコメ油で会社を興し、昨年12月で70周年を迎えた。一般的な認知はコメ油メーカーとして認識されていることと思う。ただ、足下の30年は、どちらかと言うと菜種油を中心にコーン油など他の油脂を取り扱い、ボリューム的には菜種油かつ業務用の食用油を中心にオペレーションしてきた。過去を振り返ると、千葉工場は元々、コメ油の工場であったが、菜種の搾油工場に転用し、船橋工場内のさまざまな設備についても、複数の油脂を取り扱うことを前提に仕様も変更してきた。菜種油を取り扱ったことで、時代背景もあるが、事業規模を拡大し、当初の目的は達成したものと評価している。一方、菜種油に軸足を置いたということで、収益面では原料価格の変動に大きく左右される収支構造となり、収益の振れ幅が非常に大きくなった。大豆油、菜種油については人口動態、消費性向の変化もあって、大手メーカーの寡占化が進んでいる。また、ユーザー、消費者からの評価もほぼ価格に集約、廉価性の評価になっているということで、この10年間は苦戦を強いられた」と構造改革に至った経緯を説明。
 前期の決算については「一昨年の秋以降、菜種の原料価格が上昇し、高止まっている。値上げを実施したが、完全に転嫁できたとは言えず、短期的に収益悪化の要因となっている。加えて、グループ会社を含めて設備の老朽化が進み、今後の更新を含めて新たな設備投資を行う時期にきていた。改めて、事業展開の方向性を検討し、前期から構造改革に本格的に着手した。事業の方向性については、コメ油を基軸とした原点に返り、拡販に全社を挙げて取り組むことを柱とした。また、これまで、どちらかと言えば対応が遅れた感もあるコメ油の副産物の付加価値向上に注力していく。そのために、一昨年に東京油脂工業の江戸川工場の敷地売却、新たに船橋に京葉工場として建設。千葉工場をコメ油の抽出工場に転用し、グループ会社を含めた構造改革の施策を実施している」とした上で、「こうした施策によって、グループ会社の工場が 年稼働ではなくなり、停止期間が1時期あったことがマイナスの1因。さらに、菜種油の販売については採算重視ということで、絶対数 が落ちた。採算は改善したものの、全体が縮小しており、工場の稼働効率をどう向上させるかが課題となっている」と振り返った。
 次期の業績予想は売上高124億円で同6・5%減、営業損失1億6,000万円、経常損失2億2,000万円、当期純損失2億3,000万円。
 後藤専務は「厳しい状況が続くが、とくに好調な家庭用のコメ油を牽引役とし、業務用についても機能性、安全・安心、国産原料を訴求し、拡販に取り組んでいきたい。副産物の付加価値向上も合わせて、構造改革の実現は可能であると考えている。今期の見通しについては、大規模な改革の収益への反映は徐々に効 が出るものと見ており、 期では黒字化には至らない予想だが、32年3月期には完全黒字化を目指している。いま一度、原点に返って、コメ油を基軸とした事業の拡大に努めていきたい」と強調した。
 グループ含めた設備移転などについては、川崎取締役が「東京油脂工業は、4月1日から京葉工場に本社を含めて移転。2つ大きなラインがあるが、つは4月の下旬から動き、本格稼働は6月からになる。若干、遅れ気味。家庭用コメ油等の充填ラインを新設。一つは自動化で高速。もう一つは大型で多品種に対応できる」と説明。
 千葉工場に関しては齋藤社長が「昨年の6月で菜種搾油を停止。9月までにコメ油抽出への転用工事を終了した。10月以降はフル稼働となり、それに伴い東京油脂でのコメ油抽出を取り止め、その後は千葉工場での抽出に移っている」と述べた。
 



 財務省発表