日本こめ油工業協同組合
   家庭用コメ油の需要好調に推移
  齋藤理事長が懇親会で挨拶 
 原料確保や安定供給 課題山積
   
   日本こめ油工業協同組合(東京都台東区・齋藤典幸理事長)は11日、東京・大手町の「KKRホテル東京」で、平成30年度第38回 常総会を開催した。総会では平成29年度事業報告、平成30年度事業計画などを承認可決した。
 総会終了後には、齋藤典幸理事長、鈴木清和専務理事が出席し、記者会見が行われた。
 齋藤理事長は「コメ油をめぐる情勢は、3年前の急激な需要増の後、現状は落ちついてきている。コメ油の品質の良さを認識いただいた消費者、ユーザーからのニーズは依然として高く、安定供給は業界として取り組んでいくべき大きな課題であると思っている。また、米糠の確保、コメ原油の確保、コメ油の販売、脱脂糠の販売などそれぞれに大きな課題、難題を抱えている」との現状認識を示した上で、業界にとって大きな問題であるブラジルの特恵関税が外れたことに関しては「特恵関税が4200円から8500円になったわけで、ドルベースに直すと40ドルほどのアップとなる。相場の上昇であれば致し方ないが、国策というものの中でのアップとなっている」とした上で、鈴木専務理事が「ブラジルから6割以上輸入しているわけで厳しい状況となる。コストアップがなかなか販売価格に反映されない中で、コストが上がる。大枠の政策の中で決められたことで、難しいものがある。コスト上昇分を適正に販売価格に反映させていかないと、安定供給にも問題を来すことになる。今後ブラジルの比率が下がる要因になるだろう」との見解を示した。
 また、大手精米業者の神明がコメ油事業に参入を発表したことに関して、斉藤理事長は「コメ油のイメージがさらに上がってくるのであれば、我々にとってマイナスにはならない。コメ油を知っていただく良い材料になるのではないかと思っている」と述べた。
 総会後の懇親会で、斉藤理事長は「わが国の食品市場は、人口減少と高齢化社会による構造的な問題が徐々に影響し始めている。植物油業界においては、市場の成熟化が進んでおり、消費者の節約志向、低価格志向は根強いものがある。また、外食・中食の伸びの一方で、全体の状況は厳しい。コメ油業界においては、3年前のテレビ放送をきっかけに、とくに家庭用製品の需要が好調に推移している。コメ油を使い、コメ油の良さに気付いていただいた方々がリピーターとして定着されているように思う。健康 だけではなく、風味そのものを気に入っていただき、揚げ物、炒め物などに活用されている方が増えているように思う。2017年度の家庭用コメ油の消費 は前年比128%となっており、植物油の中にあって異例の伸びとなっているのは間違いない。これを裏付けるように、JASの格付実績では、家庭用植物油の中でコメ油の占める割合は10・7%となっており、3年前の3倍以上となっている」とコメ油を取り巻く環境について言及した。
 さらに、齋藤理事長は「需要は堅調であるが、コメの消費減退によって原料米糠の確保が難しくなっている。さらに外食・中食向けのコメ価格が上昇し、一部では輸入米へのシフトもあり、厳しさに拍車がかかっている。最近では物流コストの上昇もあるが、とくにコメ油の場合は原料調達の特性上、何よりも米糠の集荷コストが今後、大きな課題となってくるものと考えている。国産米糠の減少を補うための輸入原油についても、輸出国での価格上昇と為替の変動リスク、一部の輸出国では特恵関税の廃止など、コスト で厳しい状況が続いている。こうした中、米糠の処理数 は17年度は32万8100トンとなり、前年比101%の実績となった。コメ消費 減退の中で、前年を上回ることができたのは組合員の努力の賜物と思っている。コメ油を取り巻く環境は、米糠の確保、需要に見合った供給を続けるために輸入原油を含めた原油の確保、価値に見合った適正価格での販売、さらには原料米糠の調達から製品販売に至るまでのコストの上昇など、解決すべき課題は山積している。引き続き、組合員各社で知恵を出し合い、これらの難題に真摯に取り組み、一つずつ克服していく所存である」とあいさつした。
 



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