オリーブ油
   イタリア減産による相場高騰影響
   家庭用市場は重量5%減に
 かける需要等で再び成長路線へ
   
   家庭用オリーブオイル市場は前期、重量ベース、金額ベースともに前年を下回り、ここ数年続いてきた拡大基調に一服感が漂った。16年産のイタリア大減産に端を発した相場高騰が逆風となったもの。とくに大手二社の値上げが進捗した下期に伸び悩みが顕著となり、マーケット全体を下押しした。一方で、17年のイタリアの生産回復で相場は軟化傾向を示しており、マーケットは落ち着きを取り戻している。オリーブオイル自体に対する健康感は揺るぎなく、各社が注力する「かける」生食需要などでの新規ユーザー獲得への期待も高い。踊り場を乗り越え、再び成長路線に戻れるのか。前期の落ち込みを1時的なものとしたい。
 一昨年(16年4月〜17年3月)に、金額ベースで過去最高を更新。360億円超まで拡大した市場規模は前年割れに転じ、踊り場にさしかかった。大手製油メーカーによると、前期(17年4月〜18年3月)の市場動向は、重量が前年比95%、金額が同98%。エキストラバージン(EV)が重 97%、金額98%、ピュアは重量89%、金額94%。16年産のイタリアが大幅減産となり、スペインを含めて現地相場が急騰。このため、輸入価格も大きく値上がりし、店頭価格が上昇。3割超えのシェアを持つ輸入業者の製品、とくに大容 物が値上げ、あるいは売場から一時的に姿を消したことが市場の落ち込みに影響したほか、日清オイリオグループ、Jーオイルミルズの大手二社の値上げが下期以降に実勢化したことも、下押し要因に。これは、上期の重 がほぼ前年並みを維持したものの、下期に90%と大きく落ち込んだことでも明らか。
 昨年来、輸入価格は右肩上がりの展開。財務省の輸入通関統計によると、今年1〜3月のEVの平均輸入単価はイタリアがキロ870円で前年同期比31%増、スペインが638円で同24%増といずれも大幅な値上がりを見せている。
 金額市場規模では、キャノーラ油に次ぐNo2カテゴリーの地位を確固たるものとしているが、前期は相場高騰の影響もあって400億円超えを阻まれた。今期は、イタリアの生産回復もあって相場は下落に向かっており、今後は店頭価格も落ち着いてくる見 し。大手二社の販促や広告宣伝、新製品効果もあって、この数年で、いわゆる「かける」生食需要は徐々に定着化の動きを示している。今期は、改めて新規ユーザーの獲得や間口拡大への取り組みが求められている。
 オリーブオイルの購入経験率(一年間に一本以上購入)は「17年1〜12月で51%。このところ50%近辺で横ばいが続いている」(大手製油筋)という。年代別で購入層を見てみると、右肩上がりの曲線を描いており、健康感の強さもあってか、50代以上に購入層が集中している。購入経験率が7割のゴマ油は、各年代まんべんなく購入しており、ゴマ油の水準まで近づけることができれば、400億円突破も現実味を帯びてくる。若い年代へのアプローチが新規ユーザーの獲得、あるいはライトユーザーの取り込み、引いては間口の拡大につながるものと考えられる。また、子供のいる世帯、とくに年少の子供のいる家庭においては、オリーブの風味がややもすれば敬遠されがちで、購入 も少ないという。こういう層に対してはEVよりもピュアが好まれる可能性が強く、今後はピュアでのさらなる訴求も求められている。
 先の購入世帯率を見ても、まだ伸びしろはあり、かける需要などポテンシャルは高い。いずれ、金額はキャノーラ油を追い抜くことは間違いないとみられ、400億円超えが当 の目標となる。今期は過去最高更新へ、再チャレンジの年となる。
 



 財務省発表