日本ひまし工業会
   会記者会見でヒマシ油概況を説明
  17年ロッテ相場1800ドル台高騰
 高値在庫と円安で厳しさ継続に
   
   日本ひまし工業会(三重県四日市市・辻定昭会長)は5月31日、第60回定時総会を開催した。総会終了後には記者会見が行われ、辻定昭会長(伊藤製油社長)、今川和明幹事(豊国製油会長)、河合春彦幹事(日華油脂社長)が出席し、ヒマシ油の概況について次のとおり説明した。
  2017年のインドにおけるヒマシ油価格は16年より上昇しており、増産が期待されたが、結果は落花生等の作付けが有利と判断した農民が多く、昨年とほぼ同程度の作付面積となった。インド以外では、中国でやや生産が回復して8万トン、ブラジルで1万トン、その他ではエチオピアで1万トン生産された。
 17年のヒマシ油ロッテルダム相場は、年初に1400ドル台でスタートしたが、2月に開催された国際ひまし会議で当年の種子生産見通しが前年比25%減少の107万トン発表されたことを受け、3月から相場が急騰し、4月には1855ドルまで高騰した。今回の相場上昇は、2011年初旬に2600ドル台の高値を記録した時以来の急な上昇であり、冬季に環境問題から稼働を規制されていた中国のセバシン酸メーカーの急な大量買い付けが急騰の一因といわれている。その後、6月から年末にかけては1700ドル前後での安定した価格推移となった。
  一方で、秋口からインド国内の大手主要メーカー各社からは、年末にかけて種子の供給の大幅な減少によって原油の供給不足が懸念されるとの情報があり、需要家各社は在庫数量を積み増しするなど対策を取らざるを得なくなった。しかし、年末には古い種子の在庫が大量に出回り、年初から徐々に相場は下がってきた。@今年2月の国際ひまし会議の生産予想・需給予想の発表では、2018年については種子市中在庫の減少による総供給量減で、需給がひっ迫するとみられており、価格上昇が懸念されるとのことだった。しかしながら、インドの単収の上昇で当初予想されていた生産量より増えたことで弱含みとなり、加えてドル高インドルピー安が重なり、現在のところはロッテルダム相場で1500〜1540ドルで推移している。
 昨年秋に需給ひっ迫を懸念した各国需要家にとっては、今年に入ってからの相場展開は予想外の動きとなっている。今後は、今期の作付け動向を睨んだ相場展開となり、6月中旬にモンスーン入りするグジャラート州の降雨状況が注目される。インドからの今年1〜4月の輸出数量は好調に推移し、前年比2万トン多い18万トンとなっており、年間輸出量は60万トン程度になるのではないかと予測される。
 インドの17/18年の生産量については、オイルワールドによると135万トン。作付が減少するとの見方だったが、降雨が良好だったことから前年を30万トン上回る生産になったという。一方で、インドの調査会社による最新の生産見通しは140万トンとなっており、不透明感が漂う。国際ひまし会議での統計が従来の調査会社から変更となったことなどが影響している模様。ただ、「2〜3年前からインドの搾油メーカーがハイブリット種をPRしており、このハイブリット種によって生産が増加している可能性を指摘する声もある」(辻会長)という。しかしながら、「にわかには信じられないところもある。期末の在庫を見て検証する必要がある」(同)と冷静な受け止め。
 17年の相場が16年と比べ、400ドルほど上がったことは事実。年明け以降、ロッテルダム相場は軟化傾向を示しているが、辻会長は「現状、まだ高値原料が残っていることは確かで、このところは為替も円安基調にある」とし、国内価格はなお厳しい状況下にあることを示唆。今後、インドの作付動向がロッテルダム相場の行方を左右することになることから、年後半にかけて、ロッテ相場の動きを注視し、今後の対応を見極める意向を示している。
 



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