製油各社
 菜種原料のコスト上昇響き減益
  値上げ実施も計画に届かず
 ミール高追い風も油価維持必要
   製油各社の平成30年3月期決算は、菜種原料コストの上昇に加え、物流費や資材価格の値上がりを受けて採算が大きく悪化。期中に価格改定を実施したものの、目標とした値上げ幅には届かず、各社とも減益決算を計上する結果となった。
 4〜6月以降の大豆ミール高で、大豆搾油の採算は改善傾向にあるが、菜種に関しては依然としてカナダの先物相場が高止まりしており、新年度の採算も厳しい状況が継続している。物流費はさらに大きく高騰する動きにあり、今期も引き続き、コストに見合った適正な油価の構築が大きな課題となっている。
 製油トップの日清オイリオグループの連結決算は、売上高3379億9800万円で前期比4・0%増、営業利益は91億200万円で同11・1%減となった。マレーシアのISFなど海外事業は堅調に推移したものの、国内の油脂・油糧事業の低迷が足を引っ張る格好となった。J―オイルミルズは売上高1833億6100万円で同1・7%増、営業利益40億500万円で同26・8%減と苦戦。国内の搾油事業が中心なだけに、よりコスト高騰の影響を大きく受けた。
 また、昭和産業の油脂食品事業も売上高775億7100万円で同0・8%増、営業利益21億8500万円で同15・9%減と減益に。同社では「原料穀物調達価格、包装材料費などの製造コストに加え、物流コスト上昇の中、価格改定に努めた結果、売上高は前期を上回ったが、全てのコスト増加分を転嫁するには至らず、減益となった」と総括している。一致部の中堅メーカーは営業赤字を余儀なくされたところも出ている。
 大手三社とも、大豆の搾油採算は改善したものの、菜種の原料調達コストの上昇が収益悪化に直結。前期の第4四半期、当期の下期と二度に渡る大幅な価格改定を打ち出し、実勢化に取り組んだものの、計画した値上げ幅には届かず、厳しい収益のまま期末を迎えることになった。
 ミールバリューの上昇で、大豆の採算は新年度4月以降、さらに改善傾向を示している。このため、今4〜6月に関しては、各社ともある程度の収益回復を見込める状況となっているようだ。一方で、油脂販売の中心となっている菜種については、カナダの先物相場が500カナダドル超えの高値圏を維持しており、前期に続いてコスト環境は厳しいまま。菜種中心の中堅メーカーにとっては、原料高が当面続く見通しで、大手を含めて収益改善を果たすには、油価の維持・是正しか道は残されていないというのも確かだ。
 物流費の上昇はさらに厳しく、資材コストも値上がり。大手二社は今期、増益への転換を見込んでいるが、その大前提となるのは、適正な油価の実現であることは言うまでもない。
 


 財務省関税局発表