日清オイリオグループ
 東京農工大と産学共同研究講座
 中鎖脂肪酸の機能メカニズム解明
   日清オイリオグループ(東京都中央区・久野貴久社長)はこのほど、東京農工大学(大野弘幸学長)と同大の農学系では初となる、産学共同研究講座(講座名=日清オイリオ機能性油脂・腸内環境研究講座)を同大に設置した。
 同講座の目的は①腸内環境に基づく中鎖脂肪酸油(以下、MCT)摂取によるエネルギー・脂質代謝に関するメカニズムの解明②中鎖脂肪酸と腸管免疫調整機能との関係性の解明③母乳や乳製品中における中鎖脂肪酸の生活習慣病予防メカニズムの解明。
 東京農工大学は、2016年度からの6カ年の中期目標・中期計画において「日本の産業界を国際社会へ牽引するためオープンイノベーションを指向した産学官連携活動等を推進・発展させる」、「民間企業等との連携をさらに強化し、先導的な役割を担いながら、それぞれが保有する資源を活用し、それらの重点配分等を行うことによって、大規模な共同研究の推進につなげるとともに、新たな連携先(民間企業等)を開拓する」として教育研究活動に取り組んでいる。これまで、研究室単 で行われている産学官連携による共同研究は、実践的社会人を育成するなどの人材育成や個別具体的な技術課題を解決する上で、重要な役割を たしてきた。同大では、こうした産学官連携による共同研究に加え、オープンイノベーションを本格化させていくことが極めて重要であると考え、「組織」対「組織」の本格的な共同研究を推進し、研究成 が社会で一層活用されることを目指している。
 一方、日清オイリオグループは、2017年度からの4カ年の中期経営計画「OilliO Value Up 2020」で「Globalization」「Technology」「Marketing」の三つのキーワードを掲げて、5つの成長戦略と2つの基盤強化策に取り組んでいる。成長戦略の一つとして、MCTを基軸にヘルスサイエンス事業をグローバルに拡大することで、人々のそれぞれのライフステージで「健康とエネルギーを生むチカラ」を提供し、社会に貢献することを目指している。同社は、これまでも40年以上にわたってMCTの研究・開発を進め、体脂肪が気になる人向けの食用油やエネルギー補給を必要とされる人向けの商品などを発売してきたが、さらなるMCTの機能解明によって、世の中に新たな価値を提供することを目指している。
 東京農工大学大学院農学研究院・木村教室は①短鎖脂肪酸によるエネルギー調節機能関連の豊富な知見②脂肪酸受容体を介した網羅的な生理機能の解析技術③腸内フローラおよびその代謝物の物質解析技術ーー。日清オイリオグループは①中鎖脂肪酸に関する栄養生理機能関連の豊富な知見②油脂の酵素を使った油脂構造化技術③油脂の分析技術全 ④MCT関連商品を多数ラインアップーー。相互の強みをいかしたパートナーシップで研究を進める。
 同講座では、東京農工大学大学院農学研究院応用生命化学専攻代謝機能制御研究室の木村郁夫テニュアトラック特任准教授を中心に、研究を進める。ココナッツオイルや医療現場での栄養補給に利用されているMCTは、摂取することで抗肥満効 や脳機能改善作用の可能性が示唆されているが、その機能メカニズムについては未だ明確になっていない。同研究では、MCTやMCTの代謝物であるケトンならびに腸内細菌による代謝物等に着目し、生体組織内に特異的に発現している受容体「GPCR」がその機能性が関与しているとの仮説の下、生理機能の解明と機序に関する研究を進める。当 、3年間を目途に実施し、その後の継続実施は成 等を考慮して協議する。
【GPCR】Gタンパク質共役受容体(G protein-coupled receptor、GPCR)は、生体の細胞表 に 存在する受容体の形式一つ。さまざまな機能を持ったGタンパク質共役受容体が見られ、 細胞外の様々な物質を受容してシグナルを細胞に伝える。
 


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