マレーシアのパーム油相場
 マレー相場弱材料噴出で続落  
  輸出需要低迷など圧迫に
 今後の増産予想で需給一層緩和
   マレーシアのパーム油相場は今週、5月末在庫が事前予想を上回ったことや6月前半の輸出需要が引き続き低調な動きに終始していることなどを受けて続落している。外部要因ではシカゴ大豆安も弱材料に。直近最高値(5月24日の2,492リンギ)と比べ約9%下落している。現地13日の先物相場は8月きりで前日比8リンギ安の2,318リンギで引けた。一時、2,300リンギまで値を下げ、16年7月後半以来の安値をつけた。
 生産は今後、順調に伸びていくことが予想されており、輸出需要がこの先も盛り上がりを欠くようだと、月末在庫はさらに膨らむ可能性が強まる。需給の緩みが1層鮮明となってくれば、「先物相場の下値は2,200リンギ、あるいは2,100リンギまで視野に入ってもおかしくない」(トレーダー筋)と指摘する声も出ている。
 MPOB(マレーシア・パームオイル・ボード)が11日発表した5月分のマレーシア・パーム油需給統計によると、原油生産 は152万5,405トンとなり、前月と比べ2・1%減となった。前年同月(165万4,494トン)との比較では7・8%減。
 在庫量は原油在庫が116万5,664トンで同2・1%減、精製パーム油在庫は100万4,767トンで同1・4%増。この結果、トータル在庫 は217万431トンで同0・5%減となった。前年同月(155万7,354トン)との比較では39・4%の大幅増。
 輸出量は129万601トンで前月比15・7%減、前年同月(150万6,145トン)との比較では14・3%減となった。
 マレーシアの投資銀行CIMBによる事前予想は、生産 が147・0万トン、輸出 が139・7万トン、在庫量が207万トンだった。ラマダンによる労働効率の悪化から生産は増えないとされたが、予想を上回る水準に。一方、需要 では5月からパーム原油に5%の再課税が実施されたことから、輸出 が伸び悩んだ。結果、月末在庫量は予想を約10万トン上回る水準となり、弱気な相場を後押しする格好となった。
 6月の輸出 も低迷している。SGSによると、6月1〜10日までのマレーシア・パーム油輸出 は33万4,132トンとなり、前月同期(40万8,568トン)と比べ18・2%減となった。主な国 内訳は、中国が3万9,700トン(前月同期7万4,500トン)、EUが6万9,000トン(同13万6,745トン)、インドが1万8,670,トン(同1万5000トン)、パキスタンが3万2,600トン(同ゼロ)、米国が1万7,150トン(同ゼロ)など。中国、EUといった大手ユーザー国向けが大きく減少しているほか、パーム原油、精製油に高関税がかけられているインド向けも低調な動きに終始している。
 AmSpec社の統計でも32万4,947トンとなり、同(40万6,689トン)比20・1%減。 今後の相場動向については、目先は強気になれる材料は見当たらない。昨年来の天候には問題がなく、マレーシア、そしてインドネシアにおいても生産は、夏場から秋にかけて増産していく見 し。シカゴ大豆も10ドル割れに下落しており、原油相場以外は内外要因とも強材料に事欠く展開となっている。従って、7月以降、生産増、在庫増が表 化してくれば、「先物相場は2100〜2200リンギまで下がっていく方向は避けられない」(同)との見方が台頭している。需要喚起のため、マレーシア政府が再び輸出関税をゼロにする可能性もあるが、逆に、そうした施策にでも出ない限り、相場はとりあえず、下値を目指す方向にあることは確実視されている。
 


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