辻製油(株)
 うれし野アグリのミニトマト 
  グローバルGAP認証取得
 三重県の事業者初、拡販に弾み 
   辻製油(三重県松阪市・辻威彦社長)の関連会社である、うれし野アグリ(三重県松阪市・辻保彦社長)は、三重県内で初めてグローバルGAPの認証を取得。うれし野アグリの辻保彦社長と下社聡氏が6月22日、同じく認証を取得した、うれし野アグリの株主である浅井農園(三重県津市)の浅井雄一郎社長らとともに三重県庁に鈴木英敬知事を訪問し、認証取得に至った取り組みなどを報告した。
 グローバルGAPは、ドイツの非営利組織である「フードプラス」が運営する農業生産工程の国際基準。これまで世界120カ国・14万件以上を認証している。2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準では、このグローバルGAPやアジアGAPなどの取得が条件となっている。今回、うれし野アグリと浅井農園は、うれし野アグリが生産販売するミニトマトで認証を取得したもの。
 両社は、「お客様に食の安全・安心を提供し、環境保全、労働安全など農業の持続可能性の確立」を目的に、認証取得に向けた取り組みを昨年8月から開始。両社の若手社員がお互い切磋琢磨しながら、農業改良普及センター等とともに準備を進め、今年2月に審査を受け、認証を取得した。
ミニトマト
 同日、辻社長と下社氏らは、ミニトマトを持って鈴木知事を表敬訪問。認証取得の報告とともに、取り組みの経緯などを説明した。辻社長は「三重県産のミニトマトが世界に通用する商品と認められて光栄に思っている。うれし野アグリのミニトマトは、バイオマス発電の余熱を使用し、CO2が出ない方法で栽培している。環境にやさしい栽培方法であることも評価されたのではないかと考えている。今回の認証取得で、東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準を満たすことになる。オリンピックで使ってもらえることは、当社のミニトマトが世界に知られることにつながる」と語り、将来のグローバル展開に向けて意欲を示した。
 一方、三重県の鈴木知事も「首都圏のホテルでマーケティング調査を行ったが、GAPなどの第三者認証を取得しているものを使いたいと答えた割合が三割を超えた。今回の両社のグローバルGAP認証取得で、今後、県内の他の事業者の取り組みにも弾みがつくものと思っている」と述べた。
 なお、三重県によると、県内の農産物のGAP認証の取得状況は、平成30年5月末時点で33件。このうちグローバルGAPの認証取得は三件あるが、県内事業者の取得は、うれし野アグリと浅井農園の両社が初めてとなった。他の一件は、千葉県に本社があるイオンアグリ創造のいなべ農場。
 うれし野アグリは、国内最大級の「植物工場」を運営。農業先進国オランダの太陽光利用型ガラスハウスを採用、工場の廃熱などを活用し、環境にやさしい事業展開を行っている。
 辻製油と浅井農園、三井物産が共同出資して2013年4月に設立。辻製油本社工場の隣接地に14年秋、植物工場を建設した。製油工場の廃熱を冬場の暖房用熱源に利用し、木質バイオマス蒸気も活用してエネルギー費用を低減している。栽培面積1000平方メートル当たり25トンと、通常のミニトマト農家の3〜4倍の収穫量を実現している。同社のミニトマトは甘くて濃厚な味と日持ちのよさが好評。そのおいしさが高く評価され、販売量は順調に拡大している。
 


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