ADEKA
   日本農薬子会社化へ
  ライフサイエンス事業でシナジー創出
 公開買付と第三者割当増資
         
   ADEKA(東京都荒川区・城詰秀尊社長)は21日、日本農薬(東京都中央区・友井洋介社長)を連結子会社すると発表した。TOB(株式公開買い付け)と第3者割当増資の引き受けを通じて、所有割合を現在の24・21%(子会社による間接保有分含む)から51%に引き上げる。日本農薬の上場(東証1部)と社名は維持する方針。
 ADEKAは「樹脂添加剤」「化学品」「食品」を事業の三本柱としているが、売上高3,000億円超え実現のため、第4の柱としてライフサインエス分野をターゲットの一つとしている。日本農薬は、ADEKAの前身である旭電化工業の農薬部門を母体として設立され、かねてから緊密な関係にあるが、現在の持ち株比率(持分法適用会社)ではスピード感をもってライフサイエンス事業を発展させるうえで不十分と判断し、連結子会社化に踏み切ったたもの。
 ADEKAは、次期中期経営計画(2021年度)以降を見据えて、売上高3,000億円を超えた次のステージへの継続的な拡大・発展を実現するには、既存事業である3本柱の成長のみにとどまらず、4本目の事業の新たな柱を構築し、ポートフォリオをより拡充することが不可欠であると判断。とくに、継続的な企業価値及び株主の共同利益の向上を実現するためにも、早急に次世代の有望市場と位置付ける新規領域「ライフサイエンス」「環境」「エネルギー」の三分野におけるビジネスモデルを構築することが喫緊の課題であると考えていた。
 一方、日本農薬は1928年(昭和3年)、ADEKAの前身である旭電化工業の農業薬品部と藤井製薬が合併して設立され、1985年(昭和60年)に東京証券取引所第1部に上場。創業以来、主として、農薬の製造・販売事業を営んいる。両社は源流を同じくしており、役員派遣をはじめとする人材交流や研究開発部門・生産部門における情報交換を実施するなど、長年にわたって良好な関係を構築している。
 その後、日本農薬は現在までに、子会社14社及び関連会社6社からなる企業グループを構成し、その中核事業である農薬事業のみならず、農薬以外の化学品分野(医薬品・医薬部外品・動物用医薬品等)において、豊富な品目ポートフォリオを構築。また、長年の研究開発の蓄積により、農薬や化学品の新製品開発を実現する高度な技術力及びこれらの許認可等の取得に向けた一連のノウハウを有している。
 今回の日本農薬子会社化決定に至る経緯について、ADEKAは「四本目の事業の新たな柱を構築していくことが重要と認識しており、既存の主要事業で培った技術を融合させることで、新しい事業領域への進出を果たすことができると考えている。とりわけ、当社は、次世代事業の柱と位置付ける有望市場の一つであるライフサイエンス事業については、グループの既存事業で培った技術の応用可能性が認められ、従前より、速やかに事業領域を飛躍的に拡大させることを検討してきた」とした上で、「このような問題意識の中、当社グループにおいては現在まで、診断薬や医療機器の開発を進めてきたが、これらの開発推進には医薬品・医療機器の許認可に関する技術ノウハウ(届出・承認・認証等の1連のプロセスに精通していること)が重要であり、必須となるものの、当社グループでは、これらの技術ノウハウを十分に有しておらず、これ以上、独自にライフサイエンス事業を推進することは困難と認識するに至った。そのため、当社グループが、ライフサイエンス事業を拡充させるためには、農薬・医薬品・医薬部外品・動物用医薬品で多くの実績を有する提携先との連携が必要不可欠であるとの考えに至り、当社グループのライフサイエンス事業の発展にとって、最適なビジネスパートナーを模索してきた。候補先としては、いくつかの共同研究先や提携先も挙がったが、スピード感をもって、ライフサイエンス事業を発展させるためには、豊富な技術ノウハウがあり、かつ、企業として同じ起源を持ち、コーポレートカルチャーにも親和性があり、長年にわたって良好な関係を構築してきた日本農薬がビジネスパートナーとして相応しく、これまでの良好な関係性を踏まえれば、両社の強みを共有しつつ、弱みは相互で補完し合いながら、両社の事業価値にとって、効果的なシナジー創出を期待できるのではないかと考えるに至った」と説明。
 さらに「今般、技術革新が飛躍的に進み、めまぐるしく事業環境が変わる中で、 スピード感をもってライフサイエンス事業を発展させるためには、現在の持株比率では不十分であって、日本農薬を連結子会社とし、当社グループの1員とすることで、より強固な協力関係を築き、相互の事業領域を補完し合いながら、早期のシナジー創出を実現できると考え、平成29年7月から、日本農薬に対して、当社が連結子会社化することについて提案を行ってきた」としている。
 今後、ADEKAはTOBを実施して1205万6049株(所有割合18%)を追加取得し、既存分と合わせた所有割合を42%に高める。そのうえ上で、第三者割当増資を引き受けて所有割合を51%とする。TOBの買付価格は1株900円で、TOB公表前日の終値に対して34・33%のプレミアムを加えた。買付代金は108億5000万円。買付期間は2018年8月22日〜9月19日。第三者割当増資の払込金額は一株670円で、総額約80億円。
 


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