東京油問屋市場
   館野洋一郎新理事長が就任会見  
  委員会活動など積極的に推進
 新しい時代を先取りする気概で

         
   東京油問屋市場は22日、東京・日本橋箱崎町の油商会館で、先に開催された定時総会において新理事長に就任した館野洋一郎氏(タテノコーポレーション社長)と前理事長の金田康男氏(カネダ社長)が出席し、記者会見を開催した。
 6月19日、東京油問屋市場は定時総会を開催した。今年で実に118回目を数える、歴史と伝統にあふれた油問屋の集まり。油のプロフェッショナルとして、油を愛し、油を大事に売るという姿勢を貫いている。この数年、健康や機能性がクローズアップされ、食用油の新たな価値が創出されている。こうした中だけに、油の価値を訴える市場営業人たちの存在は、製油メーカー各社にとって心強く、頼もしい存在であることは間違いない。
 館野洋一郎新理事長は、曾祖父の故栄吉氏、祖父の故栄一氏、そして先ごろ亡くなった父親の浩一氏に続き、四代にわたる理事長職となる。
 農水省を退官し、タテノコーポレーションに入社してまる5年。「市場の中では若輩ものであり、油脂の商売についてもまだまだこれから」と言うが、一方で、「子供のころ、祖父の膝の上で油の話しやメーカーさんの話しを聞いてきた。そういう意味では、やっと自分の本籍地に帰ってきたという感覚だ」と語る。
 昭和44年生まれの48歳。「賛助会員のメーカーさんも、あるいは我々のユーザーさんも世代交代が進んでいる。そういった意味では時代に適合し、同じ世代の方々と一緒にやっていける若い世代にバトンタッチすることができ、良かったと思っている」と、金田前理事長。それに対して、館野新理事長は「(副理事長として仕えた)金田前理事長に育ててもらった」と感謝の意を表す。
 館野新理事長は「油問屋市場の創立は1901年、明治34年。油脂の販売を通して、世の中に貢献。適正価格での販売と安定供給を使命とし、これまで油問屋の仲間たちとともに、ユーザーや消費者の方々、そしてメーカーの皆さんと一緒に築き上げてきた歴史であると思っている。しっかりとこれまでの伝統を引き継ぎ、また、新しい時代をキャッチアップというよりも、先取りするぐらいの気概で油脂、食用油が今後どうあるべきなのか、あるいは問屋の機能はどうあるべきなのか、ということを先輩方の話しを聞きながら、そして同世代、若い人たちの力を集めながら、世の中に貢献できるような活動をしていきたい」と抱負を述べた。
 上部団体である全国油脂販売業者連合会は今年度から、「油脂未来セミナー」の定期開催を決め、すでに東京、愛知、大阪で第一回目の勉強会を実施した。館野新理事長はその実行委員長を務めていることもあり、今後とも全油販連との連携を強めながら、油問屋市場としても企画委員会、建値IT委員会の活動をさらに積極的に推進していく方針。
 「企画委員会では、各種の伝統行事や新しい時代に向けた勉強会などを展開。また、建値IT委員会の活動もさらに推進し、東京油問屋市場の活動を活性化していきたい」と強調する。
 建値IT委員会については、「伝統的な調達や販売、物流は当然大事なことで、川上、川下の間に立つものとして、双方向での情報の提供、発信がベーシックな部分では重要と思っている。一方で、これは業界として何かすぐにどうこうできることではないかもしれないが、やはり、いろいろな商流の変化、油についても価値の見い出し方が変わってきている。商流について言えば、新しいプラットフォームができ、新しい商売をされている方々が多くいる。伝統的な商流を大事にしながらも、インターネットをはじめとする最先端のIT技術を活用したプラットフォームビジネスがこれだけ世の中に出てきている中、それが正しいかどうかではなく、そこに一つのニーズあった時に、そういうものを通して世の中と向き合っている方々に、どういう形で商品、情報をお届けするのがいいのか、考えていかなければならないと思う。もちろん、それが万能でない部分も当然あるわけで、フェイスtoフェイスのやり方が、だからこそ大事ということも多々ある。すぐに何かできるものではないが、これまでの情報発信のあり方から始まって、新しい世の中の潮流と東京油問屋市場がどう向き合っていけばよいのか、ということを視野を広げながら議論していきたい。そういう意味では、企画委員会とも連動していくのかなと思っている」との考え方を示した。
 館野新理事長は、さらに「この業界に入ってまだ5年。そういうこともあって、なおさら、業界内にとどまらず、いろいろな人のお話しをうかがって、耳を傾けて勉強していきたいという気持ちだ。同時に、私自身の経験、これまで常識と思っていたことも常識と思わないで、別の角度から考えていくといったようなことで、業界に貢献していきたいと思っている」。「もっと問屋のあり方、油問屋として大事にしていかなければならない部分と、100年、200年と変わらないでいるべきところと、時代に合わせて変わらなければならない部分、もっと時代を先取りして自ら能動的に変わっていった方がいい部分もあると思う。そういう思いは同世代の方々と共有できている。そういう中で、経験のないところは同世代の仲間から教えてもらうと同時に、逆にまったく違う視点、マクロ的に中長期的な視点で日本の食がどうあるべきなのかなど、そういった視点で世の中を見てきた部分もあるので、この世界だけにいたわけではないという経験も活かしていきたいと考えている。ユーザーさんの先にいる消費者の方々に、もっと喜んでもらえる提案をできるような、業界全体としてのベースをもっと広げていきたい。これは私に限らず、皆さん思っていることであり、私は私の立場でがんばっていきたい」。

 館野新理事長は昭和44年8月31日生まれ、東京出身。平成6年3月東京大学法学部卒業、同年4月に農水省に入省。平成24年末に農水省を退職し、平成25年4月タテノコーポレーションに入社、平成26年同社代表取締役社長に就任。
 趣味は「もともとはテニス」というが、いまは業界のならいでゴルフ。コンサートにもよく足を運ぶという。

 


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