パーム油  
    当初予想と比べ増産鈍化の見方
  マレー相場弱基調から転換か
 低調な需要や潤沢な在庫弱材料
         
   マレーシアのパーム油相場は、盛り上がりを欠く輸出需要と潤沢な在庫水準が圧迫要因となる中、先物相場は引き続き2,200リンギ台と地合いの弱さは継続している。ただ、一時の安値圏(2,100リンギ後半)からは底打ちしており、今後のマレーシアの生産 が思いのほか伸長しないとの見方も台頭したことで、年後半にかけての相場には、やや強気配も漂い始めてきた。先週マレーシアで開催されたパーム油会議でも、著名なアナリストが中期的に相場は2,400〜2,600リンギまで上昇するとの見 しを示している。
 今年の4〜6月、インドの輸入関税引き上げの影響などを受け、マレーシアの輸出需要が低迷したことから、先物相場はここまで弱気な展開に終始。7月下旬から8月上旬にかけて相場は2,200リンギ台を割り込み、現地7月25日には一時2,140リンギまで落ち、約3年ぶりの安値に沈んだ。
 8月の輸出量は、AmSpec社によると107万2,524トンと前月を4%上回ったものの、この時期としての水準は低く(前年8月は120万トン台)、依然として弱い需要が相場の頭を抑えている。また、在庫も潤沢。予想を下回ったとは言え、7月末在庫は221万トン強で、8月末は230万〜240万トン台へ、さらに積み上がる可能性も指摘されている。
 一方で、米中貿易摩擦を巡って上げ下げを繰り返すシカゴ大豆だが、豊作を織り込みながら、下がっても8ドル割れはないとの認識で、どちらかと言えば上値に向くリスクの方が高い。原油相場も高値を維持、週初はそこにリンギ安も加わり、休場明けの3日の先物相場は11月きりで8月30日比9リンギ高の2257リンギまで持ち上がってきている。
 今後の相場動向だが、「これから増産期のピークに向かうマレーシアの生産 が当初の見込みよりも伸びないとの見方が台頭してきており、上昇に転じるきっかけとなる」(トレーダー筋)との見方も浮上。先週開催された会合「Pots Malaysia(Palm Oil Trade Fair & Seminar)」では、著名なアナリストが当初予想していた生産 を40万トン下方修正しており、中期的な相場予想についても2,400〜26,00リンギまで上昇するとの見方を示している。
 目先は、高値圏に位置する原油相場が下支えする中、リンギット相場の動向をにらんだ展開に。輸出需要に関しては、祭事を控える中国などの買いが戻るかどうかがポイント。マレーシア政府は9月のパーム原油輸出関税を再びゼロにすると発表(8月は4・5%)しており、この輸出促進策がどこまで効果を生むのかも注目される。来週はMPOBが8月の需給統計を発表する。在庫量がさらに増加するのかどうかが大きなポイントとなる。
 


  水産油脂協会