太田油脂(株)  
    麻布大学で2年間寄付講座開講
  えごま油の機能性など研究
 健康に貢献できる企業を目指す
         
 
 大田油脂の太田社長(左)と柏崎理事長(右)
  太田油脂(株)(愛知県岡崎市・太田健介社長)は、えごまオイルのパイオニアとしてその有用性の研究と検証のため、6月1日から2年間の寄付講座「機能性脂質学研究室」を神奈川県相模原市の麻布大学に開設し、9月5日に同大で開所式を行った。
 寄付講座は、えごま油を主体とする脂質の栄養研究を行う麻布大学生命・環境科学部食品栄養学研究室の守口徹教授と原馬明子特任准教授を中心に、周産期から老年期までのすべてのライフステージにおける機能性脂質の役割の解明など、栄養学的な基礎研究を進めていく。
 開所式では最初に学校法人麻布獣医学園理事長の柏崎直巳氏が要旨、次のようにあいさつをした。
 「麻布大学に対して多大なご協力とご理解をいただいた太田油脂様には心から感謝したい。さて、6月に経団連から大学改革のあり方に関する提言が発表されたが、この背景にあるのは、日本が少子高齢化を迎えて大学がこれまでにない競合の時代には入ったこと、また、労働力不足や地方の人口減によって地方創生が課題となっていることが挙げられる。少子高齢化対策の政策パッケージの1つとして高等教育の無償化が入っているが、この高等教育の無償化については、経済界に厳しい提言を発出したものだと理解している。急速な少子高齢化をはじめとする厳しい社会環境の中で、限られた日本の財源を高等教育に投入することに対して経済界は厳しい注文をつけた、ということだ。当然といえば当然だが、我々大学はより公共性、透明性、そして社会でそれなりの研究開発、技術開発をして、しっかりとした役割を担っていかなければいけないということが求められている。そうした厳しい状況の中で太田油脂様から一定の評価をいただき、寄付講座を開くことができたことは大変誇らしく、喜ばしいことだ」
 また柏崎氏は麻布大学の教育理念について「地球共生系、つまりは人と動物と環境との共生を目指している。獣医学部を中心とした実利的な生命科学を発展させるため、教育、研究を実践し、社会貢献に努めてきた。麻布大学には長い歴史の中で培ってきた知の蓄積がある。この知の蓄積で、知と知識と技術、あるいは社会、産業からのニーズを組み合わせて、さまざまな課題に取り組んできた。特に今回のような産学連携で機能性脂質学の研究がイノベーション、起点、発火点になって、太田油脂様と麻布大学のプレゼンスが高まり、より大きな社会貢献を たすということに期待している。太田油脂様と麻布大学は、ともに一世紀を超える歴史を持っており、相互協力によって機能性脂質の研究が社会貢献のグランドワークになるよう一丸となって取り組んできたい」と方針を語った。
 続いて太田油脂社長の太田健介氏は次のようにあいさつをした。
 「『えごまで世界を健康にする』ことが当社のスローガンの一つだ。えごま油の取り扱いをスタートして約30年が経った。当初は食用化を日本で最初に行い、啓蒙活動を進め、この5年で油については健康というキーワードで新しいステージを迎えている。当社はオメガ3脂肪酸の有用性を含む、えごまを中心に今後もスローガンのもと事業を進めていく。世の中にはまだまだ油について解明できていないメカニズムが多数あるが、それを麻布大学様と力を合わせて学術的なデータに基づいた情報を発信していくことが、パイオニア企業の努めだと考えている。私は加速する少子高齢化を実はネガティブには捉えてはいない。逆に少子高齢化は世界で最先端に向かっている現象の一つだと捉えている。つまり、少子高齢化の中でビジネスチャンスを創出することが先進国の中で必ずリーダーシップが取れると考えているからだ。そのキーワードが健康であり、当社は健康で世の中のお役に立てる企業を目指していきたい。麻布大学のスローガンは当社のスローガンの意味合いとも合致している。今後、寄付講座では新しいテーマを発掘し、世の中に情報を発信していくことに邁進したい」
機能性脂質学研究室の内部
 その後は、機能性脂質学研究室前でテープカットを行い、機能性脂質学研究室を披露した。
 その中で、守口徹教授は研究室の設備などを説明しながら、「オメガ3脂肪酸の機能性のメカニズムを解明していきたい。我々は現在まで、さまざまな研究実績があり、必ずいい結果を報告できると考えている」と抱負を語った。
 


  国産原料油脂