国産原料油脂  
    9月渡しコメ油商談は据え置き
   需要堅調でひっ迫感強まる
  タイトな供給、値上げも視野に
         
   コメ油メーカー筋は先週、国内の加工油脂メーカー及び製菓メーカー向け9月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回8月渡しの平均決着価格と同値据え置きで決まったことを明らかにした。この結果、国内のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり245〜246円で流通する。一方で、タイトな供給、堅調な需要が続いており、第3四半期以降は一層のひっ迫感に包まれそうな状況。このため、コメ油メーカーは今後、値上げに向かう意向を示唆。コメ油相場は10月以降、強含みの展開が予想されている。
 原料生糠の発生は、依然として減少傾向に。昨年来の米価上昇などを背景とする米の消費減退がその背景で、生糠の集まりにくい状況が続く中、メーカー側では遠隔地まで生糠の集荷に向かう必要性に迫られるなどしており、コストを押し上げる要因となっている。こうしたことから、コメ油価格は今年の4月渡しでキロ当たり5円値上げ。一方で、5月渡し以降は、大豆油・菜種油価格が4〜6月渡しで横ばい、7〜9月渡しはシカゴ大豆急落もあって1〜2円安となり、また、ブレンド油として存在感を増すパーム油も今年に入って弱基調で推移。7月後半にかけてマレーシアの先物相場が約3年ぶりの安値(2,200リンギ割れ)をつけるなど、他の油脂相場が弱気な中、コメ油価格も9月渡しまでは、その厳しいファンダメンタルズを反映することができず、5カ月連続での据え置き決着となった。
 しかしながら、この間も国内供給のタイト感、輸入に関してはブラジル産の特恵関税が外れ、輸入関税が引き上がるなど、コメ油を取り巻く環境は厳しさを増しており、メーカー側の採算を大きく圧迫している。
 需要量を見ると、家庭用、業務用とも堅調な動きに終始。家庭用については、その健康性や使いやすさ、おいしさが浸透し、完全に定着しており、市場規模は拡大の一途をたどっている。今4〜6月も重 35%増、金額30%増と成長。その勢いは衰えを見せておらず、「今期も一段の売上げ増が見込まれる」(関係筋)としている、
 業務用もこの4〜6月は、加工向けの主力ユーザーであるスナックメーカーがポテトチップスの増 セールを展開したこともあって「出荷は好調に推移」(メーカー筋)。ポテトチップスに関しては昨年、前年の北海道のじゃがいもが台風の影響を受けて品薄となったことから、全 に売上げが減少。今年はその反動増がみられ、この部分においてもコメ油の需要は前年比で伸長していることは確か。
 タイトな需給となる中、国産で足りない分は「輸入油に頼らざるを得ない」(メーカー筋)状況はそのまま。しかしながら、主力のブラジル産の特恵関税が外れ、4月から同国産の輸入関税がキロ当たり4円20銭から8円50銭に引き上げられており、「少なくともこの関税が引き上がった分は当然コストアップになっている」(同)。為替に左右されることは変わらないが、「ブラジル産の品質が良く、精製しやすい」(同)とのことから、関税が上がった分はコストアップとなるが、今後も「ブラジル産の輸入が減ることはない」(同)とみられている。
 5月渡し以降、据え置き決着が続くコメ油だが、取り巻く環境はさらに厳しさを増していることは以上のことからも明らか。今年の新米の作況は今のところ悪くないとのことだが、「仮に新米の価格が下がったとしても、離れた消費が戻ってくるとは限らない」(同)とされ、生糠の集荷についてはこの先も大きく改善することはないとの見方。現状の需要を考えると、需給は今後、一層のひっ迫感が漂う。メーカー側では10月以降、値上げの意向を示唆。コメ油相場は確実に強含んでいる。
 


  2018年通関